旅行記

ロンドンから1泊小旅行。中世の面影が残る小さな町Ryeへ

usako0606

先日、イギリス南東部East SussexにあるRye(ライ)へ、1泊2日の小旅行に行ってきました。

Ryeはとてもこぢんまりとした小さな町でして、ロンドンのSt PancrasからはAshford Internationalで電車を乗り継ぎ、早い列車なら1時間10分ほどで到着します。

ロンドンから日帰りできる距離ということもあって、観光ガイドなどを見ると「数時間〜半日あれば楽しめる町」と紹介されていることも多いRyeですが、今回、我が家はあえてしっかり1泊してみることにしました。

そして結果としては、、、

これが大変良かったです。

小さな町だからこそ、急いで名所を巡るのではなく、細い路地を歩いたり、古い建物を眺めたり、カフェに入ったりしながらゆっくり過ごすことで、Ryeという町そのものを楽しむことができました。

かつては海に面していた港町

現在のRyeを歩いていると、周囲には緑豊かな湿地が広がり、海は少し離れたところにあります。

ですが調べてみると、中世のRyeは、今とはかなり違う景色だったそうです。

もともとこの一帯には大きな入り江があり、Ryeは海にほぼ囲まれた場所にありました。中世にはイングランド南東部の港町ネットワークであるCinque Portsの一員となり、船や人員を王室に提供する代わりにさまざまな特権を得て発展しました。

ところが13世紀、とくに1287年の大嵐などによって周辺の海岸線が大きく変化しました。

River Rotherの流れも変わり、その後、長い年月をかけた土砂の堆積や土地の干拓によって海が徐々に遠ざかっていきました。

現在Ryeが海岸から数キロ内陸に位置しているのは、こうした何百年にもわたる地形の変化によるものなのです。

今の静かな町並みからは少し想像しにくいですが、かつてここに船が行き交っていたと思うと、街歩きも少し違って見えてきます。

Ryeといえば、やっぱりMermaid Street

Ryeでおそらく最も有名なのが、Mermaid Street。

坂道いっぱいに丸い石が敷き詰められ、その両側にはレンガ造りや木組みの古い家が並びます。

「イギリスで最も美しい通りの1つ」と紹介されることもあるそうですが、実際に歩いてみると納得です。少し歪んだ古い建物、煙突、蔦、石畳。どこを切り取っても絵になる通りです。

旦那氏
旦那氏

すれ違ったローカルのおじさん曰く、This is the bestらしい。確かに。

そしてこのMermaid Streetにあるのが、有名なThe Mermaid Innです。

現在の建物は15世紀に再建されたものですが、Ryeが港町として栄えていた歴史を伝える場所の1つです。下の写真の右手に見えるのがInnです。

うさこ
うさこ

現在はパブとホテルとして営業しています。大人気のInnなので、私たちは予約が取れませんでした笑

さらに18世紀になると、このあたりは密輸でも知られるようになります。Mermaid Innには、悪名高い密輸団Hawkhurst Gangが集まっていたとされ、1730〜40年代には彼らがここで酒を飲み、武器をテーブルに置いていたという記録まで残っています。

すぐ近くには、これまた歴史を感じるThe Old Bellがあります。

1390年に建てられたとされ、Mermaid InnとOld Bellの間には、密輸業者たちが逃げるために使ったという地下通路があったとも伝えられています。

うさこ
うさこ

店内の大きな柱にはコインがたくさん埋め込まれていました。聞いてみると、ここにコインを埋め込むと幸運に恵まれるそうです(ほほぅ)

900年以上の歴史を持つSt Mary’s Church

町の中心に建つSt Mary’s Churchにも立ち寄りました。

現在の教会の建設が始まったのは12世紀初頭で、なんと900年以上、Ryeの町を見守ってきた教会です。

1377年にはフランス軍の襲撃によってRyeの町が焼かれ、教会も大きな被害を受けたそうです。教会の鐘までフランスへ持ち去られてしまったそうですが、その翌年にはRyeの人々がフランスへ渡り、略奪された品々を取り戻したという、なかなか勇ましい歴史も残っています。

教会の塔から眺めるRyeもとても綺麗です。

赤茶色の屋根が密集する小さな旧市街と、その先には湿地が広がっているのが見えます。

ここがかつて海に囲まれた港町だったことを知ってから眺めると、今の景色にもまた違った意味が感じられます。

「Rye Castle」にも入ってみる

Churchから徒歩2分ほどの場所にあるRye Castleにも入ることができました。

正確にはYpres Towerと呼ばれる建物で、現在はRye Castle Museumの一部になっています。

13世紀から14世紀にかけてRyeの防衛施設として整備されたと考えられており、その後は裁判所や牢獄としても利用されました。

石造りの壁や小さな窓を見ていると、Ryeが単なる可愛らしい観光地ではなく、海を越えてやってくる敵から町を守る必要のあった場所だったことを思い出します。

そして、街歩きの途中で結婚式に遭遇

そんな歴史スポットを巡りながら町を歩いていたところ、なんと地元の結婚式にも遭遇しました。

クラシックカーが止まり、少しおめかしをした人たちが集まっていて、周りの観光客もソワソワと市庁舎からご一行が出てくるのを待っていました。

この町で普通に暮らしている人たちの日常を垣間見た気がしました。

こういう偶然に出会えるのも、時間に余裕を持って旅をする楽しさなのかもしれません。

著名人たちが暮らした町

のんびり街歩きをしていると、普段は気が付かないものにも気がつける気がします。

何気なくカフェの窓から外を眺めていたら、下のような綺麗な扉に気がつきました。

写真の建物には、

Radclyffe Hall
1880–1943
Novelist
Lived here

というプレートがありました。

Radclyffe Hallは『The Well of Loneliness』で知られるイギリスの作家です。1930年代にはパートナーのUna TroubridgeとRyeで暮らしていました。

また、とある道の突き当たりにはこのようなプレートも。

イギリスを代表する画家の1人、Paul Nash(1889–1946)が暮らした家のようです。第一次・第二次世界大戦のWar Artistとして知られる一方、イギリスの田園や海岸を幻想的に描いた風景画家でもあります。

小さな町を存分に楽しんだRye滞在

今回、私たち夫婦はRyeに1泊したことで、朝と夕方の町を歩いたり、小さな路地に入ってみたり、古い建物をじっくり眺めたり、途中でTea Roomに入って休憩したりと、、、何かに急かされることもなくのんびりと過ごすことができました。

特に夕方、都心に向かう最後の電車が出発してからは、ぐっと行き交う人も減り、昼間とはまた少し違う空気が流れていました。

なんだか時間がゆっくりと流れている気がして、とても贅沢な経験をしていると感じました。

あえて予定を詰め込まず、ゆっくり1泊してみるのも良いものだねぇ、、、と夫婦で実感したのでした。

ABOUT ME
うさこ
うさこ
七転八倒する元MBA駐妻
メガバンクと国際金融機関でファイナンス・オフィサーに従事した後、夫の英国赴任に帯同。
キャリアアップへの闘志を燃やし、トップビジネススクール進学に向けて大奮闘。 2024年秋からImperial Business Schoolへ進学。 2025年夏に無事修了。修了後は海外就職に闘志を燃やし、大奮闘を継続。
最近は何気におしゃれに気を使い始めた30代。
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