ワシントンD.C.1人旅(後編)
制度と知が集まる首都
前編では、記念碑や歴史の現場を練り歩いた記録でしたが、後編ではいよいよ政治・行政そのものとも言える場所に入ってみます!


素晴らしいことに、私がワシントンで訪れた施設は全て入館無料なのよ!!

え!そうなの!!

予約だけ必要だけど、入館無料なら気軽に入れるから嬉しいっ!
U.S. Capitol
まずは、テレビやニュースで誰しもみたことのあるUS Capitol (アメリカ連邦議会堂)です。上院・下院の両議会が置かれる、まごうことなきアメリカ立法府の中心です。
ドーム型の屋根と左右対称の構造となっていて、実際に目の前に立つと、その規模と象徴性に圧倒されます。

よく映画で破壊されてるやつだね

ほえぇぇぇ

ここでは、国家予算、外交政策、社会制度など、あらゆる法律が審議されているのですが、事前に予約すれば、一般市民や観光客が内部を見学できるツアーに参加することができます。



ツアーではまず大きなシアターで、連邦議会堂の歴史や建国の理念についての映像を観ます。そのあと、ガイドと一緒に実際の議事堂へ入っていく流れです。

その映像の中で何度も繰り返し述べられていたのが、アメリカ建国時のE Pluribus Unum(Out of many, one)というスローガンです。
この言葉は議事堂の頂にも刻まれているのですが、元々の意味は、異なる利益や文化などをもつ13の植民地(現在の州)が1つの国家(=アメリカ合衆国)として結束するという建国思想を表していたとされるようです。


「多くの中から1つへ」というその言葉は、今では人種や宗教、文化、価値観など、多様な背景を持つ人々が一つの国をつくるというアメリカの考え方そのものを表しているように感じます。


National Archives Museum
続いて、National Archives Museumです、ここで私が何としてもお目に掛かりたかったのが、アメリカ建国を支えた三大文書です(下記それぞれの文書をクリックして概要を表示)。
アメリカ独立宣言(Declaration of Independence of the United States)
これはアメリカ合衆国が、1776年に発表された「イギリスから独立する」と世界に宣言した文書で、「すべての人は平等に生まれ、権利を持つ」ことが記されています。
アメリカ合衆国憲法(Constitution of the United States)
アメリカ合衆国のルールを決めた文書で、1787年に制定されました。大統領・議会・裁判所の役割を規定し、権力の集中を防ぐ機能を整えています。
権利章典(United States Bills of Rights)
国が国民の自由を侵さないように保護する文書で、1791年に憲法の修正1-10条が成立しました。国民にとっては「自由の盾」として、言論の自由・宗教の自由などを保障し、政府の暴走を防ぐ役割を果たしています。

ガラスケースの中に厳重に展示されている重要文書は、インクがほとんど色褪せてしまっていて、もはや内容を正確に読み取ることはできませんでした。

複数の警備員さんがガチガチに周りを固めていたので、少々物々しい雰囲気でした。

また、イギリスに保管されているものとは書かれた年が異なりますが、Archives Museumにはマグナカルタの原本も大切に展示されています。


Library of Congress
連邦議会堂のすぐ隣にあるLibrary of Congressは、世界最大級の図書館です。
実はここは、単なる公共図書館ではなく、議員や政策スタッフの調査活動を支えるための機関でもあります。
中に入るとあまりの豪華さにびっくりします。天井画や階段の装飾は美術館さながらです。




印象的だったのが、ジョージ・ワシントンの蔵書コレクションです。ワシントンはかなりの読書家だったそうで、その蔵書の一部が360度ぐるりと展示されていました。


また、私が訪れたときには、「President & King」という特別展も開催されていました。
初代大統領ジョージ・ワシントンと、イギリス国王ジョージ3世。同じ時代を生きながら、一人は共和国の象徴となり、一人は帝国の象徴となった二人です。


ジョージ・ワシントンは、独立戦争を率いた軍人であり、勝利後、自ら王になることもできた立場にありました。ですが、彼は、自らが王になる道ではなく、「任期のある大統領」という仕組みを選びました。

この選択が、後のアメリカという国の形を決めたのだと思うと、とても考えさせられる展示でした。
Smithsonian National Museum of Natural History
さて、これもワシントンD.C.で有名なスミソニアン!
スミソニアンは、19世紀に設立されたアメリカ最大の国立博物館ネットワークで、ほとんどの施設が入館無料で一般公開されています。今回私が訪れた自然史博物館も、その1つです。


重厚な建物の外観とは対照的に、中はとても開放的でした。小さな子どもを連れた家族、学生、観光客、研究者と思しき人まで、さまざまな人が自然に同じ空間を楽しんでいました。


開発銀行
今回のワシントン滞在では、世界銀行グループの一員であるIFC(International Finance Corporation:国際金融公社)と、中南米地域の開発を支えるIDB(Inter-American Development Bank:米州開発銀行)の本部にも足を運びました。


どちらも金融機関ですが、本部があるのはニューヨークのような金融街ではなく、政府機関が集まるワシントンD.C.です。

開発金融の仕事に携わるようになってから、その理由が少しずつ分かるようになりました。
開発銀行が動かしているのは、お金だけではありません。加盟国政府との対話や外交、国際的な合意、そして各国の政策と連動しながら投資を進めていくことが求められます。
つまり、マーケットだけを見て意思決定をしているわけではないのです。
だからこそ、政府機関や国際機関が集まる首都に本部を置く意味があるのだと、実際に現地を歩いてみて改めて実感しました。

内部まで入れたのは良かったね!

へっへっへ。。。
ワシントンD.C.編を締めてみる
前編・後編に分けてワシントンD.C.滞在記を書きましたが、実際に私が見て、感動して、しみじみした経験はここでは全く書ききれていません。
端的に言えば、アメリカの政治ドラマが好きな私にとっては、今回の滞在は聖地巡礼という意味合いもあり、終始興奮しっぱなしでした。私が滞在した期間は特に寒さが厳しく、日中でも気温がマイナスだったのですが、それを物ともせずに3泊4日はウキウキ歩き回っていました笑
「政治ドラマで見るドロドロしたやりとりが今まさにホワイトハウスで行われているのかしら??」と勝手に想像しつつ、アメリカの建国史やたくさんの記念碑にみるアメリカを中心として歴史的な出来事にも触れることができた、大充実の滞在でした。

次回:ニューヨークへ
次に向かうニューヨークでは、まったく違うエネルギーとリズムを見ることになります。
まさに「静かな首都から、眠らない都市へ」。

