グラスゴー半日旅行記
さて、寝台列車Caledonian Sleeperに揺られてロンドンースコットランド・グラスゴーにやってきた私たち。まだ夜も明けていないけれど、電車の中で温かい朝食も食べたことだし、観光する準備は万端です。
この記事では、半日で楽しんだグラスゴーの記録です。



グラスゴー大聖堂(Glasgow Cathedral)
グラスゴー大聖堂は、スコットランドで数少ない中世の姿をほぼ完全な形で残す大聖堂です。12世紀に建てられ、宗教改革の混乱を生き延びてきた、街の原点ともいえる存在です。


内部は装飾が控えめで、石の重みと光の差し込みが印象的です。



また、地下には聖マンゴ(St. Mungo)の墓所があります。
聖マンゴとは、6世紀に活躍したキリスト教の聖人で、グラスゴーの守護聖人として知られている人物です。聖マンゴは、現在のグラスゴー周辺で布教活動を行い、この地に教会を建てたとさています。彼の教えを中心に人々が集まり、やがて集落が形成され、それが現在のグラスゴーの起源になったと伝えられているようです。

セント・マンゴ宗教博物館(St Mungo Museum of Religious Life and Art)
大聖堂のすぐ隣にあるのが、セント・マンゴ宗教博物館です。

この博物館のテーマは、「異なる宗教が、同じ街にどう共存してきたか」ということにあります。キリスト教だけでなく、ユダヤ教、イスラム教、仏教、ヒンドゥー教など、世界宗教がアートや生活文化とともに展示されています。


宗教を「信仰」ではなく「人の営み」として扱っているのが印象的でした。
これらの展示物からは、グラスゴーが移民とともに発展してきた街であり、多様性を前提に成り立っている都市であることが伝わってきました。
また、この博物館の中庭には禅の空間が広がっていて、大聖堂を眺めながらカフェができるスペースとなっていました。


ケルヴィングローブ博物館(Kelvingrove Art Gallery and Museum)
半日観光で一番インパクトが大きかったのが、ケルヴィングローブ博物館でした。入館無料の施設ですが、その展示の内容の濃さに驚きます。


美術館・博物館・自然史・産業史が一体となった空間で、ゴッホ、レンブラントなど有名画家の作品、スコットランド絵画、武器・鎧、動物標本までがジャンル横断で展示されています。



例えば絵画では、以下のような作品を見ることができます。

『スコットランド高地の風景』作者:スコットランドの画家
広がる谷、ゆるやかな丘陵、牧草地を進む牛の群れ。スコットランド・ハイランドの原風景を描いたものです。壮大でありながら、どこか穏やかに感じられます。

『メアリー・ステュアートの肖像』作者:作者不詳
スコットランド女王メアリー・ステュアートを描いたものです。彼女はフランス王妃でもあり、
宗教対立と政治闘争の中で翻弄され、最終的にはイングランドで処刑された「悲劇の女王」です。

『武装した男(A Man in Armour)』作者:レンブラント
暗闇の中から浮かび上がる、甲冑姿の人物。これは光と影の巨匠レンブラントらしい、劇的な明暗表現が際立つ作品だと思います。静かな力強さを感じます。

『モンマルトルの風車(The Blue Fin Windmill / Montmartre)』作者:ゴッホ
この小さな風景画は、ゴッホがパリ時代(1886–1888)に描いた作品で、印象派の影響を強く受け、明るい色彩と軽やかさがあります。描かれているのは、当時まだ田園風景が残っていたモンマルトルの丘です。
また、12月中旬という時期もあり、午後2時から行われたオルガルリサイタルはクリスマスにちなんた選曲となっており、大人も子供も楽しめる雰囲気でした。

グラスゴーのシンボル「サーモン」について
街を散策していて街のモニュメントや博物館の展示で、やたらとサーモンが登場することに気づきました。


気になって少し調べてみたところ、サーモンはグラスゴーの象徴的存在であることが分かりました。
スコットランド南西部を流れるクライド川は、かつてサーモンが大量に遡上する豊かな川で、街の発展と人々の生活を支えてきたそうです。産業革命期には一度失われてしまいましたが、環境改善によってサーモンが戻ってきたらしく、以来サーモンはグラスゴーの再生の象徴とされているようです。


グラスゴー大聖堂内のステンドグラスにもしっかりとサーモンが描かれていて、ちょっと可愛かったよ。
当然、半日じゃ足りないグラスゴー観光
次の予定があったため、かなり駆け足になってしまったグラスゴー観光でしたが、半日にしては存分に楽しむことができました。ただ、全く観光したりません。
これほどまでにサーモン推しの都市なのに、寝台列車で食べたScottish Breakfastが重たくサーモンを使ったFish & Chipsが食べられなかったことが心残りの1つです。
また(寝台列車に揺られて?)機会をみて、再度訪れたいです。

