クリスマスの4連休、我が家はバベルの塔を建てていた
今年のクリスマスは、例年通りロンドンの街は華やかで、人々は忙しそう。
一方、私たち夫婦はというと、自宅のダイニングテーブルの上でひたすらバベルの塔を建てていた。

なんだって??
正確には、
ピーター・ブリューゲルの作品である『バベルの塔』を完成させる1000ピースのジグソーパズルに夫婦で挑戦していた。

「Holiday challenge 🎄
1000ピース、どれくらい時間がかかるのか?」

2024年のクリスマスはロンドン路線図の500ピースパズルをやったの。

だから2025年はその倍の1000ピースをやってみよう!!去年の500ピースが6時間くらいで完成だったから、時間がかかったとしても2日くらいで終わるでしょ。

クリスマスはお店は何もやってないし、のんびりおうち時間にちょうど良いね!!
そんな陽気で軽い気持ちで始めたが故に、このあと地獄を見ることになりました。
まずは外枠。ここまでは順調(たぶん)
最初の2時間。まずは1000ピースのパズルをバベルの塔、空、海、街のピースに仕分け、ピースの形を頼りに外枠をひたすら作りました。うん、これはまだ楽しい。



でも、3時間半を過ぎたあたりから、雲行きが怪しくなってきました。たったのこれだけしかすすまない。
徐々に目の疲れが。。。

中央に広がる塔の空間
この絵を改めて思いますが、似た色が多すぎるんです。石、石、石。ベージュ、茶色、グレー。
9時間、12時間、15時間経過しても、いまいち進捗がない状況。皆が楽しく過ごすクリスマスイブとクリスマス当日に疲れ切っている様子に我ながら失笑です。
コーヒーとおやつの消費がやたらと進みます。




なんか平日より疲れている気がする。。。背中痛ぃ。
そんなことをぶつぶつ言いながら、旦那氏は深夜2時ごろに就寝するというハードワーキングな休暇を過ごしました。
ここで、ブリューゲルのことを考え始める
寝ても覚めてもパズルに向き合っていたわけですが、ピースを眺めながら『バベルの塔』について考えてみました。
改めて見てみるとこの塔、実は完成していないんです。
およそ1400人が描かれているとどこかで読んだことがありますが、彼らは忙しく働いている様子が描かれていて(一部寝転んでサボっていたり、遊んでいる人も描かれていますが笑)、王様まで視察に来ていて、一見するとすべてが順調そうなのですが、バベルの塔は「建設途中」のまま描かれているのです。
しかもよく見ると、土台はすでに歪んでいて全体的に左に傾いているし、上に行くほど構造が破綻しているのです。
バベルの塔には「人間の傲慢さへの罰」が描かれているという解説があります。人々は「天に届く塔を建て、自分たちの名を高めよう」とします。これは神の領域に踏み込もうとする行為であり、人間の傲慢さ、過信、限界を忘れた野心の象徴とされています。この行為に対して神が罰を下すことになります。
また他方では、この塔に描かれているのは「権力と中央集権への警告」と解釈するものもあります。すべてを1つにまとめようとして多様性を無視し、巨大なシステムを上から作ろうとしており、その結果、内部から崩壊する中央集権的権力を表しているという解釈です。
他にも解釈の仕方はあるようですが、かなりメッセージ性の強い作品だと思います。
夫婦でじっくり話すパズルタイム
難しい解釈はさておき、このパズルに取り組んで良かったと思うことは、夫婦で横並びに座り、じっくりと話す時間を作ることができたことです。


2人して3日目に入る頃には職人のようにパズルに向き合い、腰痛・疲れ・肩こりで体がバキバキになりましたが、他愛のないことをのんびり話すことができて、とても楽しい家族時間になりました。

しかもパズルって頭使うからお腹がすんだよね。

開始から20時間30分後
クリスマスの4連休をほぼ丸ごと使って、ついに完成しました。
費やした時間は、なんと20時間30分。



もう、圧巻です。
完成したパズル
激闘を終えて思うのは、これはとんでもない作品だ。。。という感想です。
作品が持つメッセージ性の強さはもちろん、描かれている1つ1つが緻密で個性があって、絵のどの一角を見るかによって持つ印象が変わります。なんとも味わい深く、あぁまたオーストリアで本物を鑑賞したいと思わずにはいられません。

パズルやってたらクリスマス休暇が終わったよ。途中、労働に似たものを感じたよ。お疲れっした。
旦那氏の感想はさておき、2026年のクリスマスに向けてまた1年、面白そうなパズルを探したいと思います。

次はまさかの2000ピースか?

