フランス

圧巻のパリ市歴史博物館

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私はパリ滞在中は2日に1回のペースでルーブル美術館に通っていましたが、語学学校と私が借りていたエアビーの間にパリ市歴史博物館(Musée Carnavalet)があることを見つけたので、ふらっと入ってみました。

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この歴史博物館、内容が非常に重厚であり、気軽に入ってしまった私は圧倒されてしまいました。今回はこの歴史博物館で特に印象に残った作品などをピックアップしたいと思います。

パリ市歴史博物館(Musée Carnavalet)

16世紀から19世紀の建物をつなぎ合わせた優美な館内で、パリの数百年にわたる歴史をまるごと体験できるミュージアムです。

「王政」「革命」「ナポレオン」「都市計画」「文学」「日常生活」「ファッション」まで、
テーマごとに空間が分かれていて、展示の厚みは想像の数倍ありました。

そして信じられないことに、こちらの博物館は入場無料となっています。

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特に世界史の教科書のフランス革命の部分の挿絵で観たことがあるシーンを、絵画として目の前でじっくりと見ることができるのは何とも緊張感がありました。

(うさこ的)パリ市歴史博物館のみどころ

『人権宣言(Déclaration des Droits de l’Homme et du Citoyen)』

フランス革命を象徴する最重要文書のひとつで、「自由」「平等」「主権」 を世界で初めて明確に言語化した革命期の憲法的テキストです。

『ルイ16世の肖像』

まごうことなきルイ16世です。フランス革命のさなか処刑される運命を辿ることになるフランスの国王です。

『球技場の誓い』

1789年6月20日、第三身分の議員たちが「憲法制定まで議会を離れない」と誓った瞬間です。会場全体に渦巻く熱気と高揚感が伝わってきます。まさにこの作品は世界史の教科書で観た記憶があり、本物を観ることができ、鳥肌が立ちました。

『バスティーユ牢獄の崩壊』

1789年7月14日、フランス革命の象徴として知られるバスティーユ襲撃と破壊の場面を描いた作品です。重厚な石の壁が爆破で崩れ、煙が立ち込め群衆の沢でいる様子が生々しいです。

『ジョセフ・ギロチンの肖像』と『ギロチンモチーフのイアリング』

こちらはギロチンの名の由来となった人物、ジョゼフ・イニャス・ギロチンの肖像です。実は「処刑の残酷さを軽減し、人道的な方法に統一したい」という意図でギロチン(平等な処刑方法)の導入を議会に提案したそうです。

なお、ギロチンをモチーフにしたイアリングがアクセサリーとして実在していました。

うさこ
うさこ

なかなかに象徴的で、なんとも悪趣味です。見つけて仰天しました。

『処刑台に向かうマリー・アントワネット』

マリー・アントワネットが、ギロチンへ馬車で運ばれる姿として描かれています。気高く背筋を伸ばす彼女の姿が印象的ですが、旧体制(アンシャン・レジーム)の終焉を象徴しています。

『ロベスピエールの肖像』

革命期ジャコバン派の中心人物、恐怖政治(La Terreur)の象徴的存在です。冷静で理知的な印象を受けます。

『ナポレオンの肖像』

皇帝ナポレオン1世を描いた、典型的な帝政期の肖像画です。軍服のボタン、佩刀、玉座、赤いサッシュ、すべてが権威を演出しているようです。ナポレオンは実際はそれほど背が高い人ではなかったようですが、この肖像画からはそれを感じさせない威厳がありますね。

『若きフランツ・リストの肖像』

こちらは博物館内にひっそりと展示されていたのですが、なんだか見覚えがあるなと思ったらフランツ・リストでした。世界史というよりも学校の音楽室で観たことがある気がします。世界的ピアニストが20代だったころの肖像だそうです。

パリという場所

パリ市歴史博物館で3時間ほど過ごした後、私は大人しくエアビーに帰宅したのですが、私の通学路の途中にはバスティーユ広場があります。

この広場には、もともとは中世からの要塞兼監獄であるバスティーユ牢獄が建っていたのですが、1789年7月14日の市民蜂起によって襲撃・破壊されています(まさに先に紹介した作品です!)。

改めてじっくりと眺めてしまいましたが、博物館で観たパリ市の歴史は、現代に確実に受け継がれていることを実感し、かつてここで自由と平等を命を懸けて訴えた人々がいたことに思いを馳せずにはいられません。

そして、フランス語の予習復習をしないとな…、今晩のご飯は何にしよかな…と切り替えるうさこなのでした。

ABOUT ME
うさこ
うさこ
七転八倒するMBA駐妻
メガバンクと国際金融機関でファイナンス・オフィサーに従事した後、夫の英国赴任に帯同。
キャリアアップへの闘志を燃やし、トップビジネススクール進学に向けて大奮闘。 2024年秋からImperial College Business Schoolへ進学。
最近は何気におしゃれに気を使い始めた30代の駐妻。
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