TOEFL or IELTS(その1)
英語試験
諸先輩の体験記を読んでいると、MBA受験を決めたほぼ全員がまず手を付けるのが英語試験対策のようです。例に漏れず、私自身もそうでした。
英語でプログラムを学ぶことになっているビジネススクールでは、非英語圏出身者はある程度の語学力があることを証明することがあり(「英語を主言語とする勤務環境に●年間いた場合は英語試験結果の提出が免除」される場合などもあるので個別に確認が必要です)、特にトップスクールでは明確に必須スコアを提示しています。
求められるスコアを達成するまでにどのくらいの時間がかかるのかは個人差がありますが、その後のGMAT/GRE対策に集中しやすくするために、 早めに英語対策に取り掛かることをお勧めします。
ビジネススクールが許可している英語試験は主に下記3つです:
- TOEFL iBT
- IELTS Academic
- Duolingo English Test
私はTOEFL とIETLSの両方を受験していますので、それぞれにどのような特徴があるのかを次で記載していきます。
TOEFL iBT
TOEFL はTest of English as a Foreign Languageの略称で、米国の教育サービス機関(Educational Testing Service、ETS)が主催している英語試験です。この試験は、非英語圏出身者が、英語圏の高等教育機関への入学を希望する場合にその語学能力を測るために用いられるものとなっています。
日本ではTOEICの方が馴染みがあるけど、これは英語によるコミュニケーションとビジネス能力を測ることを目的にしているからそもそもの狙いが違うのね。
TOEFLの試験結果は合否を判定するものではなく、各セクションの結果を0~30点で評価し、全4セクションの合計点数(最高点は120点)が出てくるものとなっています。各セクションの内容は以下の通り:
- Reading
- Listening
- Speaking
- Writing
いずれものセクションも、受験者が大学・大学院で学ぶことを想定しているため、試験内容は専門性の高いものを題材にしています。例えば、メソポタミア文明の謎とか、エジプトにある洞窟の壁画、とある気象現象や近年発見された隕石の分析などが出題されます。受験者が与えられたテーマに対して無知であることが想定されているため、受験生の大多数が知らないであろう専門用語については解説があったりするものの、それでも初見ではとっつきにくい内容をもとに回答していくことになります。
ReadingとListeningが終わった後には10分ほどの休憩時間があり、その後でSpeakingとWritingを受けることになりますが、全体を通してみると3時間超という比較的長丁場の試験なので、集中力をいかに保ち続けるかがポイントだと思います。
10分休憩はあっという間で、水分補給してチョコレート食べて、急いでトイレに行ったらもう終了…せわしない試験や。
なお、例として一部のトップスクールで求められているMBA出願時のTOEFLのスコアは下記の通りです:
ビジネススクール | 求められるTOEFLの点数 | 各セクション内訳など |
London Business School | – | – |
Cambridge Judge | 100/120 | 各セクション最低25/30 |
Oxford Said | 110/120 | 最低 R24/30、L22/30、S25/30、W24/30 |
Imperial College | 100/120 | 各セクション最低22/30 |
Harvard Kennedy | 109/120以下は望まない | – |
Stanford | 100/120 | – |
Berkeley HAAS | 90/120 | IELTSよりもTOEFL受験の方が望ましい |
Columbia Business School | – | – |
INSEAD | 105/120 | – |
トップスクールになってくると、TOEFL iBTの最低点として100点はあることが求められるようですね。一般的に日本人はReadingとListeningでは比較的高得点が出やすいので、あとはSpeakingとWritingをどこまでスコアアップできるかで決まってくるように思います。
私が使った対策本
私がTOEFL iBTの対策に使った本は、下記の分厚い公式問題集です。実際の試験問題の内容に最も近く、また付属のDVD-ROMを手元のPCにダウンロードして問題を解けるようにすれば、試験当日に類似する受験環境を整えることができます。
下記の最新versionは、まさに私が実際に使っていたもので、試験慣れするためには十分な1冊だと思います。
TOEFLの対策本は巷に色々と出ていますが、単語帳を除けば、結局私は、ETSが出しているオフィシャルなものしか使っていません。試験当日のタイムマネジメントの感覚を持つためにも、実際の試験日と同じ時間配分で通しで繰り返し解いていました。
受験会場の選択
あまり気にしない人もいるでしょうが、私としては、どこでTOEFLを受験するかは結構重要だと思います。自身の体感になりますが、受験環境は当日のパフォーマンスに影響すると考えています。
もちろん受験するタイミングで空席がある会場から選択することになるので、いつもベストな会場で受けられるとは限りませんが、早めに申し込めるようであれば、受験会場選びから当日のコンディション作りをすることをお勧めします。
私はTOEFLを東京都近郊の両方で何度か受験しています。記憶を遡りながら、下記に私視点で会場の様子をまとめてみました。
- お茶の水ソラシティ会場 お勧め度
- 大きな会場でTOEFL以外の試験も同時に複数実施
- 会場に到着した順に受験受付⇒試験開始
- 清潔かつしっかりとした個人ロッカー完備(大きめ)
- 各受験者のスペースが広い
- 希望者には耳栓あり
- 受験者同士の間にパーティションあり
- 試験会場とトイレが近い(清潔かつ個室多い)
- 駅近会場
- 会場周りに飲食店・カフェ・本屋等充実
- 秋葉原昭和通り口会場 お勧め度
- 駅から徒歩8分くらいの場所にある雑居ビル会場で会場全体が薄暗い
- (私が受験した日は)TOEFL以外の試験は実施されず
- 会場に到着した順に受験受付⇒試験開始
- 各受験者スペースはそれなりに広い
- 受験者同士の間にパーティションあり
- 窓際スペースでの受験だったため電車の音が気になった
- 休憩時間用の飲料・食料は共有デスクに置くスタイル(個別ロッカーに入れず)
- 試験会場とトイレが近い(清潔だが個室少ない)
- 最寄りの秋葉原駅付近まで行けば飲食店・カフェなど多数あり
- 八千代勝田台会場 お勧め度
- 駅から徒歩10分と少々遠め
- (私が受験した日は)TOEFL以外の試験は実施されず
- 清潔かつしっかりとした個人ロッカー完備(大きめ)
- 会場に到着した順に受験受付⇒試験開始
- 日本の小中学校で使う学習机が各受験者に与えられ、全員が前を向いて受験する貌
- 受験者同士の間に人ひとりが通れるスペースがあるがパーティションなし
- 試験会場とトイレが近い(清潔だが個室少ない)
- 試験会場から駅までの道のりには特段飲食店・カフェなどはなし
- 川崎ソリッドスクエア会場 お勧め度
- 2024年2月閉鎖とのこと
図らずも色々な場所で受験した結果、やはり圧倒的にお茶の水ソラシティが良い会場だと思います。周りの受験者の様子をあまり気にならない心地よい環境で集中力も保つことができました。
さて、TOEFL or IELTS (その2)では、IELTSについて紹介していきます。