MBAって何だろう?
MBAとは
Master of Business Administration 略してMBAとは、日本語では経営学修士と呼ばれる修士号です。MBAは学位なので、進学した暁に何かしらの資格が取得できるというものではありません。
MBAの目的は、「次世代のビジネスリーダーを育成・輩出する」ことです。
そのために、1-2年間あるいはそれ以上の時間をかけて、学生は、経営に必要な幅広い知識をインプット・アウトプットし、企業のリアルな課題についてコンサルティングを行ったり、在校生・卒業生と課外活動などを通して積極的に交流することで、自身のビジネスセンスと人的ネットワークの幅を広げ、リーダーシップを磨きます。
MBAの学生の国籍・年齢・バックグラウンドは様々です。ビジネススクールによって多少の違いはあると思いますが、全体的には金融・コンサル業界の出身者が多いと思います(商社・メーカー・官公庁などの出身者もちろんいます)。プログラム修了後、大半の卒業生は働く業界や国・地域を変えていきますが、やはり金融・コンサル、そしてIT業界へ就職していく人が多い印象です。また多くのビジネススクールがアントレ育成に力を入れていることもあり、卒業生のうちの一定数は起業していきます。
社会人として働いていると、どうしてもバックグラウンドが似ている人や同じような考えを持つ人と接する機会が多いと思いますが、特にビジネススクールでは多様性(Diversity)と国際性(Internationality)を重視したクラスを構成することが前提になっているため、自分と異なるバックグラウンドを持つ人と関わることが圧倒的に増えます。
MBAプログラムによっては、学校側が学生のバックグラウンドを勘案し学生をいくつかのStudy Groupに分けます。学生はそのStudy Groupで活動することが多いのですが、このGroupの人選はコンフリクトが起こりやすい思われる人同士をあえて組ませているようです笑
確かに、集団内での問題解決能力を鍛えるという意味では、効果がある方法ですよね。
彼らと共に生活し揉まれることで、明らかに視野は広がりますし、国際的環境下でのリーダーシップとは何か考える機会にもなります。
MBAで期待できること
どこのビジネススクールでも、非常に充実したMBAプログラムを整えています。
科目(Modules & Electives)としては、金融(Finance)・ビジネス分析(Business Analytics)・マーケティング(Marketing)・戦略(Strategy)などがあり、学生がどのようなバックグラウンドの出身であったとしてもビジネスパーソンとして持つべき知識やスキルなどを総合的に磨けるものが揃っています。
もちろんインプットをするだけでは不十分なので、これをアウトプットする必要があります。クラスルームでのディスカッションで、学生は積極的に意見を発信することを促されますし、企業が抱えているリアルな経営課題に取り組み、それまでの学びをフル活用しながら解決策を提案するといった活動もあります。
さらには、課外活動として大体の学生がクラブに所属し、そこでの活動を通して卒業生や特定分野とビジネスリーダーと接点を持つことで知見を深めるだけでなく人脈を広げることになります。学生が主体となってイベントを企画・運営することも多々あるので、コミュニケーション能力が鍛えられます。クラブと一口に言っても様々で、メジャーなところではFinance Club、Consulting Club、Real Estate Clubなどビジネス系のものもあれば、地域に特化したJapan Club, Africa Clubなどもありますし、Sports Club、Cooking Clubなどのカルチャー系があったりします。
イベントが盛りだくさんのMBA学生としての生活では、非常に多くの学びがあります。投融資やマーケティングなどのハード面のビジネススキルが身に着くのはもちろんですが、リーダーシップやネゴシエーションなどのソフト面のスキルも並行して磨くことができます。
(英国MBAの場合は)同級生は皆社会人経験があり、そのうえで時間もお金もかけてMBAにチャレンジしてくる目的意識の高い人達が多いので、彼らと関わっていくことでおのずと自身のレベルも上がってくることが期待できます。
MBAの真価
MBAで得られた、もっとも価値のあるものは何ですか?
MBA受験勉強を始めて、何度か周りのMBAホルダーや志望校の在校生・卒業生に聞いてみました。彼らがどのような事情でMBA留学をしたのかは様々でしたが、おおむね彼らの回答は下記のようなものでした:
- 新しいビジネススキルが身に着いた
- キャリアアップできた
- 知らない業界を知ることができて視野が広がった
- 自信がついた
- 学歴に箔がついた
- 人脈の広がりが後の就職活動に活きた
- 起業することができた
上記の回答に加えて、彼らが口を揃えて言っていたのは、世界中に友達ができた、というものでした。
忙しいMBAプログラムやその後の就職活動を乗り切るには、皆で助け合うことが必要で、その過程でかけがえのないの友達と出会うことができるということですね。
もしかしたら、友達は、望んでいるキャリアアップを実現するための欠かせない要件ではないかも知れません。でも、友達の存在は、間違いなくMBAそしてポストMBAの生活を充実させてくれるものだと思います。
先日私は、ビジネススクールが主催する合格者向けのイベントに参加し、未来の同級生に会ってきました。感じのいい人ばかりで、彼らと一緒に学べることが非常に楽しみです。