Cervical Screening (子宮頸がん検診)を受けた件
突然ですが、がん検診ってちゃんと受けていますか?
日本に住んでいた時は、自治体で実施している検診があるから案内が届いたら受けていたけど。イギリスではどうなんだろ。うーん。
イギリスではNHS(National Health Service)が実施する検診を受けることができます。ビザの発行に合わせてNHSの医療サービスが受けられるように費用を前払いしているので、イギリスに居住が許可されているビザ保有者は、当然、検診を受ける権利があるのです。
今回、私はNHSの案内を受けたためCervical Screening(子宮頸がん検診)に行ってきました。イギリスでは、こちらのがん検診は25歳未満の女性を対象に半年に1回、25~49歳の女性を対象に3年に1回、50~64歳の女性を対象に5年に1回の頻度で行われます(65歳以上の女性については直近の検診結果によるとのこと)。
こちらのページでは、Cervical Screening の案内受領~健診当日~結果受領までの流れをまとめてみたいと思います。
案内受領
イギリスに入国したらほどなくして、この国に居住する間に必要な医療サービスへのアクセスを確保するために、GP(General Practitioner=かかりつけ医)の登録を行います。
基本的には最寄りのGPを自分で探し、身分証明書などの必要な書類を携えて、登録を完了します。その際に現住所や携帯の電話番号も登録します。
今回のCervical Screeningの案内は、まず登録した携帯電話のSMSに届きました。
実はこれを受け取った直前に日本で子宮頸がん検診を受けたばかりだったので、特に再度の受診の必要性を感じなかったんだよね。
という事情もあり、私はこちらのメッセージをしばらく放置していました。すると、何度もSMSで同様のメッセージが届いたのですが、その度に特に返信することもなく、気が付くと初めて案内をもらってから6ヶ月以上が経過していました。
その間の2回ほど、SMSではなく、NHSから私個人宛てに手紙が郵送されてきました。開封してみると、Cervical Screeningとは何か、その必要性、どのような検診内容か等の検診の詳細を丁寧に説明する手紙とパンフレットが入っており、これはいよいよ受診しなくては…と6ヶ月以上の放置を経て漸く思うようになりました。
Online予約
ほどなくして、再度SMSで検診案内が届いたので、今度こそは!と予約に進みました。
予約は、非常に簡単です。SMSに貼ってあるURLにアクセスし、誕生日を入力した後に、来院したい日時を選ぶだけです。この時点では特段の質問事項もなく、30秒ほどで予約は完了します。
予約が完了すると、上のメッセージがSMSに届きます。これで予約は確定です。
予約日が近づくと、今度は下のメッセージがリマインドとしてSMSに届きます。この時点でキャンセルしたい場合は、記載されているURLの案内に沿って行います。
健診日
検診には特段の持ち物の指定はありません。胃カメラなどを受けるわけではないので、前日からの食事制限もありません。予約日時に合わせて、検診を受けるGPのSurgeryに行きます。
GP Surgeryの受付で、用件と名前を伝えて、案内を待ちます。
しばらくすると、私は処置室に通されました。そこでは看護師さん1人が待機しており、彼女と下記のような内容の簡単な問診を行いました。
- Cervical Screeningを以前に受けたことはありますか?
- いつ頃受けましたか?結果はどうでしたか?
- 直近の月経はいつでしたか?
- 不正出血をこれまでに経験したことはありますか?
- ホルモン療法をこれまでに受けたことはありますか?
- 過去6ヶ月以内に妊娠・出産しましたか?
- 現在妊娠の可能性はありますか?
- 何か他に気になることはありますか?
これらの質問に答えた後、もともと月経困難症があり、かなりの痛みがあることを伝えると、今後、不正出血があった場合にはすぐにGPに連絡するようにとの指示を受けました。
併せて、今回のCervical Screeningでわかること、そしてその結果次第で今後の検診頻度についても説明を受けました。
ポイントは以下の点です:
- 検査用サンプルはまず、HPV(ヒトパピローマウイルス)の有無を確認する。
- サンプルからHPVが検出されない場合(HPV negative result)は、子宮頸がんに罹患している可能性は極めて低いと判断し、詳細検査は実施しない。以後、年齢の応じて3年あるいは5年に1回の頻度で同様のがん検診を受けるように。
- サンプルからHPVが検出された場合(HPV positive result)は、同じサンプルを使って(abnormal cell changes)細胞の形態変化を調べます。その結果によって、次のうちいずれかが案内されます:
- 形態変化が無い場合は、1年後に検診を受け、そこでもHPVが検出される場合には、その更に1年後に検診を受けることになります。ここでも再度HPVが検出される場合には、Colposcopy(コルポスコピー検査)を受けるように案内を受けます。
- 形態変化が有る場合は、次の検診を待たずにColposcopyを受けるように案内を受けます。
- なお、検査用サンプルが不鮮明だったりして使用できないようであれば、3ヶ月以内に再度検診を受けるように案内があります。
検査結果は健診日から2-3週間以内に郵送で届く見込みだけど、届かない場合は検査センターに催促をする必要があるためGPに連絡をするようにと言われました。なお、この期間はGPによって異なるようなので、ご注意ください。
なお、上記の最新情報については下記NHSのウェブページ(外部リンク)をよくご確認ください。
上記の説明を受けた後は、処置台に案内されました。ここから先の処置は日本と同様です。サンプルの採取自体は2分ほどで完了し、検査当日中には出血があるかもしれないが特に心配しなくて良いよ、と言われました。
検診自体はスムーズに完了し、受付で会計をする必要もないので、私はそのままGP surgeryを後にしました。
終始とても丁寧な対応で驚き。開始~終了まで30分くらい。
検査結果受領
なんと驚くべきことに、検診を受けた日からわずか3日で検査結果を受け取ることができました。結果通知は下記のような簡易なSMSメッセージをとして受け取りました。
検査結果がNegativeなので、次回の検診は3年後になるとのことです。
あまりの簡易な通知に拍子抜けしてしまいますが、これで一安心です。
びっくりするくらいスムーズだし検査結果も通知も早い。追加費用は発生しないので、検診の案内が届いたら是非行くことをお勧めします。私も、次回は放置せずにすぐに対応したいと思います!